2種類の木のコンビネーションが美しい小さなルーペ。オーソドックスなハンドル付きのタイプですが、素材が木のため、どこか新鮮な印象があります。
上の写真では大きく見えるかも知れませんが、レンズ径35mmの小さなルーペです。丁寧に仕上げられているため、木肌の感触がなんとも心地よいです。
design: Singgih S Kartono/Indonesia
material:黒檀、ガラス、仕上げオイル、バルサ(外箱)
Product Size:10,7Lx4,8Wx1,1Hcm
Box Size:D12,7xW6,6xH2,5cm
Weight:76g
※天然素材・廃材再利用のため、木目など製品によって個体差がありすべて異なります。小さな傷やムラのある場合もあります、あらかじめご了承ください。
デザイナーからのメッセージ (デザインコンセプトと背景)
より少ない木材で、多くの仕事を
Less Wood More Works
“magno” という言葉は英語で「虫眼鏡」を意味する”magnifying glass”の”magnify”(拡大する)からヒントを得たものであり、また私が一番初めに作った製品でもあります。別の言い方をすれば「詳細を見ること」とも言えるでしょう。
熟練した職人の技能に、コンパクトでシンプル、そして美しいデザインが加わる。この条件が揃うことにより、初めて人々の注目が製品の詳細に注がれると私は考えます。
“g”をロゴとして選択した理由は、その興味深い形、フォルムにあります。ユニークな形や考えを軸とし、製品を作りたい。このような思いがロゴには詰められています。
私は木材こそが全ての面において、バランスが取れている素材だと考えます。木材は強度と弱さ、荒さと柔らかさが隣り合わせの素材です。このような性質を考えると、人工的に作られた素材に比べ人間味のある、心のある素材とも言えるのではないでしょうか。
これは全ての人が感じとることができる感覚だと思います。この木材から産まれる素材と感情のバランスは、全ての人間に共通した人生の価値観を示してくれます。
私はシンプルなデザインを好みます。また「シンプル」という言葉の背後には多くの意味が込められています。加工する前のステージ−−木材という「素材」自体が、美を備えた「製品」として捉えることもできると思います。
私が製品を作る上で注意していること。それはこの「美」を損なう行為を極力避けることです。また「手作り」という要素にも大きな価値が存在すると考えます。
私は製造にあたって、これまで全く物作りの経験の無い人を集め、物作りの技術を継承させる努力をしています。技能を習得する人の多くが普段は農業に携わる人々です。その背景には、過去数年、農業用地の減少による、職の需要の減少が挙げられます。
私の提供する技術は彫刻のように複雑ではなく、比較的短い時間で習得できます。そのことから社会的な問題を解決する、一つの案でもあると思っています。
コンパクトでありながら機能的な製品を作ることは、私にとって非常にやりがいのある仕事です。「手作り」「コンパクト」というコンセプトに基づいた物作りでは、必要最低限の素材を必要としながら、多くの人々に職を提供することが可能です。
一本の成長した木があるということ。それは一人の職人に1年以上作業ができる程の素材を提供できます。デザイナーは自分の行う仕事に、「前後の関係性」を持つことが必要です。私は現在、木材を調達している村に住み、製品からの利益を村に還元しています。
私の家からよく目にする光景ですが、可能性に満ちた木が大量生産のために伐採されています。この場合、残念ながら地元の人々に向けた利益の還元はゼロに近いです。
現在インドネシアの森林マネージメントは理想とはほど遠く、このままのスピードで無計画な伐採が進めば、環境の悪化は避けることができません。
私ができること。そして実践していること。それは小さな会社を経営し、必要最低限の素材を利用し、地元の人々の助けと共に、製品という最大のアウトプットを作り出すことです。これだけでは森林破壊のプロセスを遅らせるだけにすぎませんが、今後は私たちが伐採した分の植林も行おうと思っています。
Singgih S. Kartono
デザイナー/Piranti Works代表 |
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